Babinity's-ベビニティーズ

2021/04/13 09:45


シーン3 陣痛室・入院室

子宮口全開大までは、初産婦で1015時間、経産婦で57時間ぐらいかかります。分娩第1期の前半は陣痛の痛みは比較的軽く、後半にはかなり強くなり、いきみも出てきます。初産婦は前半が長くかかります。リラックスして過ごしましょう。

 

分娩第1期(子宮口全開大まで)

 ●分娩第1期は前半期と後半期があります。

 ●陣痛が強くなってきたら呼吸法を始めます。

 ●陣痛が遠のく間欠期には体の力を抜いて

 

お産の進み方

<このころの赤ちゃん>

 先頭になった硬い頭で子宮口を押し広げながら、陣痛の力で少しずつ下がってきます。

 

<このころの陣痛>

 子宮口が5cm開くまでの前半期はおよそ56分間隔、それ以後の後半期はおよそ23分間隔になって痛みも強くなります。

 

陣痛の乗り切り方

呼吸法

 比較的痛みの軽い前半期は、陣痛が来たらゆっくり吸って深く吐く深呼吸を、痛みが強くなりつらくなってきたら、できるだけ長く息を吐く呼吸法をします。全開大近くなると肛門のあたりがグッと盛り上がるような「いきみ」が出てきます。全開大まではいきめないので、いきみを逃す呼吸法をします。陣痛が来たら「ふ〜〜〜」と息を吐きながら、「うっ」と軽く肛門方向に向けて息を抜きましょう。

 

ラクになる姿勢を工夫

 ベッドの上で脚を軽く曲げて横向きになったり、ベッドの背もたれを高くしてサイドテーブルなどに腕を置いて前かがみになったりと、自分なりにラクになれる姿勢を工夫します。

 

 

★この時期に受ける医療処置

 子宮収縮の測定・・・分娩監視装置で陣痛の強さと間隔を測ります。お腹にセンサーをつける外側法と、人工破膜してセンサーを子宮内に挿入する内測法があります。

 

 胎児心拍数モニタリング・・・赤ちゃんの心拍数を診て苦しくないことを確認します。お腹にセンサーをつける方法と人工的に卵膜を破って胎児の頭に電極をつけて直接心電図をとる方法があります。

 

人工破膜・・・陣痛が弱い時や子宮収縮の内側、胎児心電図をとるときに、人工的に卵膜を破ることがあります。

 

★心がけること

呼吸法は医療スタッフの指示で始めます

 あまり早く呼吸法を始めると過呼吸になったり、疲れてしまいます。指示が出てから始めましょう。

 

陣痛の間欠期には十分リラックスを

 陣痛は寄せては返す波のようなもの。陣痛と陣痛の間には、必ず陣痛が遠のく間欠期があります。痛みの波が引いたらすぐに呼吸法をやめて、体から力を抜き、リラックスして次の陣痛に備えます。間欠期のないときや短いときは必ず知らせましょう。

 

不安な時は付き添いを頼みましょう。

 不安感が強いと、痛みをより強く感じて陣痛が弱くなるしんぱいもあります。家族がいるとリラックスできるときは、そばにいてもらいましょう。医療スタッフに、そばにいてほしいと頼むのもいいでしょう。

 

トイレはナースセンターに連絡してから

 歩いていける間は自分でトイレに行きますが、破水や出血の可能性もあるので、ナースセンターに知らせてから行きましょう。

 

症状が変化したらナースコールを

 痛みが強くなって我慢できな、破水したなど、症状に変化があったら、必ずナースコールをして知らせましょう。

 

★起こりがちなこと

 緊張で体が硬くなる⇒息を吐いて力を抜く

  息を吸う時より吐いた時の方が、体の緊張がとけます。息を吸おう、吸おうとしないで、まず「ふ〜〜」と息を吐きます。息を吐くと必ず吸うので、呼吸が苦しくなる心配はありません。

 

陣痛が痛くてイヤ!⇒お腹の赤ちゃんをイメージ

  陣痛はママだけが痛いのではありません。赤ちゃんもギュッとおされています。「イヤ!」と投げやりにならずに、赤ちゃんがママと一緒に耐えている様子をイメージしましょう。ママがリラックスすると、赤ちゃんに酸素がいっぱい届きます。

 いきみ逃しがうまくできない⇒医療スタッフにリードを依頼

 呼吸法がうまくいかないときは遠慮なく、医療スタッフに頼みます。分娩監視装置で陣痛がくるのがわかります。「そろそろきますよ」と声をかけてもらい、「ふ〜〜〜、吐いて。今よ、うっと軽く息を肛門の方に抜きましょう」など、具体的にリードしてもらいましょう。

 

シーン4 分娩室

初産婦で12時間、経産婦で1時間ぐらいです。子宮口が全開大したら、陣痛と同時にいきみをかけて、胎児の娩出を助けます。胎児の頭が出るときは、会陰裂傷が起こらないように、短息呼吸に切り替えます。

 

分娩第2期(胎児娩出)

 ●子宮口全開大から胎児が誕生するまでです。

 ●子宮口開大8cmぐらいで陣痛室から分娩室に移動します。

 ●陣痛と同時にいきんで胎児娩出を助けます。

 

お産の進み方

<このころの赤ちゃん>

 全開大した子宮口から出て膣へと進んでいきます。赤ちゃんの頭が見えたり引っ込んだりする排臨から、見えたままの発露になり、頭、肩、全身が出てきます。

 

<このころの陣痛>

 このころの陣痛が一番強く、また強いいきみを伴います。しかし、胎児娩出と同時に陣痛はウソのように消えます。

 

陣痛の乗り切り方

子宮口が全開大したらいきみを開始

 子宮口が全開大すると、これまでより強いいきみが出てきます。医療スタッフの指示が出たら、陣痛の波に応じていきみます。陣痛が来たら一度深呼吸します。次に軽く息を吸い、そのまま息を止めて、肛門に力を入れる感じでいきみます。

 

胎児の頭が出るときから短息呼吸を

 胎児の頭が膣から見えたままの状態(発露)になり、頭が出る時から短息呼吸に切り替えます。医療スタッフの指示が出たら、両手を胸において、「はっはっはっは」と浅く短い呼吸を繰り返します。

 

★この時期に受ける医療処置

人工破膜・・・通常子宮口が全開大すると、胎児の頭で卵膜が押されて破水します。しない場合には、卵膜を人工的に破って破水させます。

 

会陰切開・・・会陰部が十分に伸びないと、胎児の頭が出てこられずに、陣痛のたびに強く圧迫されます。特に初産婦は会陰が伸びにくいので、会陰切開をして早く出してあげることが多いようです。

 

★心がけること

いきむときはあごを引きましょう

 あごを引いて背中を分娩台にピッタリつけるようにすると、上手にいきます。少し背中を丸める感じにするといいでしょう。

 

軽く力を込める程度にいきみます

 赤ちゃんは基本的に陣痛の力で十分下がってきます。いきみはそれを助ける補助です。顔が真っ赤になるぐらい力いっぱいいきまなくても、軽く「う〜ん」といきむだけで大丈夫です。

 

★起こりがちなこと

うまくいきめない⇒肛門の方向へ力を

いきうとき力がはいらない⇒間欠期に休息を

 

シーン5 分娩室

赤ちゃんが誕生すると同時に陣痛はウソのように消えます。

赤ちゃんも誕生から2時間はパッチリ起きている覚醒期。

抱っこして語りかけたり、おっぱいを吸わせてあげましょう。

産後2時間は出血量などを観察するため、分娩室で過ごします。

 

分娩第3期(後産期/胎盤娩出)

●胎児娩出から胎盤が出るまでをいいます。

●一度消えた陣痛が再び軽く起こります。

 

★この時期に受ける医療処置

子宮収縮剤・・・胎児娩出と同時に、胎盤が早く娩出され、出血量も少なくてすむように、点滴で子宮収縮剤を投与することもあります。

 

胎盤娩出術・・・自然な後陣痛を待っていると時間がかかり、出血も多くなるので、医師が軽く胎盤を引っ張る胎盤娩出術を行います。

 

会陰切開の縫合・・・会陰切開を受けたママは縫合を受けます。局所麻酔をするので痛みはありません。

 

赤ちゃんの計測・・・身長、体重、頭囲、胸囲などの身体計測や外表奇形などのトラブルがないかなどの診察を受けます。

 

起こりがちなこと

出血が多い⇒子宮収縮剤・止血剤

 子宮収縮が悪い、分娩外傷などで出血量が多い場合には、子宮収縮剤のほかに止血処置を行ったり、下腹部に氷などを当てて、子宮を冷やすことがあります。

 

体内に小さな命が宿ってから266日・・・。

待望の出産予定日はもう目の前です!

 

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