2021/04/13 09:30

お産の開始と進行には、「子宮収縮」「胎児の回旋」「産道」という3つの要素が協同する、

生命の不思議で感動的なメカニズムが働いています。

ママの子宮は適度に収縮して、

赤ちゃんが産道を通るのを助けます。

赤ちゃんは産道に合わせて、頭と体を回転させながら進んでいきます。

そして、ママが十分にリラックスするとき、子宮がやわらかく開いて、

赤ちゃんはスムーズに産道を進むことができるのです。

お産はママと赤ちゃんが二人三脚で作り上げていく人生再考のドラマ。

落ちついて本番の日が迎えられるよう、赤ちゃん誕生のベストシナリオをシュミレーションしておきましょう。

 



シーン1自宅

ほとんどの人は「陣痛」でお産が始まります。その前に「おしるし」がある人もいます。初めてのお産はゆっくりペースで進みます。なかには「破水」で始まる人もいますが、落ち着いて症状を観察したうえで、病院に連絡しましょう。

 

<お産開始3つのサイン>⇒こんなときは病院へ!

 ●お腹が痛い! 陣痛?

 ●血液の混じったおりものが! おしるし?

 ●生温かい水が流れ出た! 破水?

 

陣痛

どんなもの?

 下腹部が「張る」のではなく、「痛い」のが陣痛です。痛い⇒痛みがなくなる⇒痛い、というように、周期的に痛みが来ます。個人差はありますが、陣痛の始まりは、強いときの生理痛と同じぐらいの痛みと思ってください。また、腰が痛くなる人もいます。

 

その後どうなる?

 初め感覚は不規則ですが、徐々に規則的になってきます。一般的には、初産婦・経産婦ともに10分おきの陣痛がお産開始ですが、ピッタリこの間隔でなくても、20分〜30分おきに周期的に来れば陣痛と考えましょう。

 

※陣痛がきたら間隔をメモしておきましょう。

 ●何分おき?・・・ギュッと痛むのを1回として「正」の字をメモします。

 ●持続時間は?・・・秒針のある時計で何秒くらい痛みが続くか測りましょう。初めは2030秒ぐらいです。

 

おしるし

どんなもの?

 お産が近くなると、子宮壁に接している卵膜が少しずれます。ここからほんの少量の出血がおしるしです。粘液栓といって、これまで子宮口をおおっていたゼリー状のおりものに混じって出ることが多いでしょう。おしるしの出血量には個人差があり、おしるしがない人もいます。

 

その後どうなる?

 おしるしから12日で陣痛が来る人が多いでしょう。しかし、他の原因による出血かもしれません。出血や血液の混じったおりものに気づいたら、量の多少にかかわらず、また、陣痛がなくても受診しましょう。

 

出血の色や量を観察しておきましょう。

 ●茶色? 赤い鮮血?・・・「おしるし」というぐらいなので「一滴」ぐらいのこともあります。少量なら色は茶色系で、多量の時は赤い鮮血になります。

 

 ●量は?・・・下着にほんの少しつく程度だったり、生理の初日ぐらいのときも。病院に電話すると聞かれることがあるのでメモしておきます。

 

破水

どんなもの?

 胎児を包む卵膜が破れて中の羊水が流れ出ることです。ふつうは陣痛が始まって子宮口が全開大するころに破水しますが、早期破水といって、陣痛開始前に破水することもあります。少量だと迷うかもしれませんが、違ってもいいので、必ず病院へ行きましょう。

 

その後どうなる?

 少量の破水でも、病院では破水検査薬で破水かどうかが分かります。破水ならそのまま入院になります。破水後は自然に陣痛が来ます。羊水や胎児への感染予防のために、抗生剤を使いながら陣痛が来るのを待ちます。

 

水の量を観察して伝えましょう

 ●下着がぬれる程度か、どっと流れるぐらい大量かなどを病院に伝えます。下着がほんの少しぬれたぐらいで止まったときは、その下着を持っていきましょう。

★心がけること

妊娠37週になったら入院の準備を

 妊娠週数が正確な場合は、妊娠3839週にお産になる人が多いようです。妊娠37週になったら、いつ陣痛が始まってもいいように、事前に入院準備を万全にしておきましょう。

 

陣痛はほとんどが夜中に始まります

 陣痛の開始には副交感神経(自律神経)が関係しています。副交感神経は夜間に優位になるので、夜中の午前23時ごろに陣痛が始まる人が多いのです。妊娠38週ごろからは枕元に時計を置いて寝るようにしましょう。

 

入浴より受診を先に

 破水、出血のときは入浴、シャワーどちらも控えて病院に連絡します。陣痛だけの人も、まず受診を優先しましょう。

 

家族が付き添いましょう

 お産は思いのほかに早く進んだり、ときには緊急帝王切開になるケースもあります。手術には家族の同意書が必要なので、パパや実家のお母さんなどひとりは同行してもらってください。

 

★起こりがちなこと

外出先でお産開始サインが始まった

 自宅以外の場所、たとえば職場や歩行中、乗り物の中などで破水したり、陣痛が始まったときも、まずは落ち着いて。妊娠37週以後は万一の破水に備えて、生理ナプキンや清潔なタオルなどを常に携帯しておきます。破水したときは、それらで手当しながら病院へ電話、そのまま直行します。破水量が多量でタクシーなどを利用できないときは救急車を呼びます。

 初産婦の場合、急激に陣痛が強くなることはまれですが、お腹が痛くなったら病院に電話して「一度帰宅してから受診」「帰宅せずに受診」などの指示をもらいましょう。ただ、なかには非常に早くお産が進むことがあります。かがみこんでしまうほどの痛みなら救急車を呼びます。

 

シーン2 診察⇒入院

内診やNST(ノンストレステスト)などの入院診察を受け、お産が始まっていれば入院になります。お産の進み具合によって、入院室ではなく陣痛室に入る場合もあります。

 

<入院の条件>

 ●前駆陣痛は?⇒ある

 ●陣痛の間隔は?⇒10分おき

 ●破水は?⇒している

 

外来受付

  お産を扱う病院は24時間体制で診察を受け付けています。夜間の場合は夜間受付や専用出入口から入ったり、カギを開けてもらうなどするので、前もって聞いておきましょう。診察券・母子健康手帳・健康保険証は受付に提出するか、応対のスタッフに手渡します。

 

入院診察

  お産開始かどうか、始まっている場合はどのくらいお産が進んでいるかを診ます。お産が始まっていて入院と決まると、いつもの妊娠健診と同じ基本の検査を受けますが、検査内容は病院によって多少違います。

 

入院

 これから受ける処置の内容や、スケジュール、設備などについて説明を受けます。

 

お産セットを購入・・・最近は、お産パッドやT字帯など、お産や入院に必要なものは一式になっていて、入院時に購入するシステムの病院が多くなっているようです。

 

入院室に案内されます・・・分娩予約時の申し込みに応じて部屋が決まり、案内されます。持参した入院着に着替えますが、病院が用意する場合もあります。

 

入院スケジュールは経膣分娩、帝王切開で違うので、その説明を受けます。

 

設備の説明があります・・・ナースコール、テレビ、冷蔵庫、シャワールーム、電話の使い方などの説明を受けます。

 

血管確保のために点滴をつけます・・・陣痛促進剤などの薬が必要になったときのために、あらかじめ点滴をセットしておくことを「血管確保」といいます。初めは水分調整の生理的食塩水を少量ずつ点滴します。

 

★心がけること

 お産の流れをイメージしてみましょう

 子宮口が開き、赤ちゃんが下降してきます。やがて赤ちゃんが誕生して喜びの対面です。お産には必ずゴールがあると思うと、精神的にゆとりが出てくるでしょう。赤ちゃんには、「一緒に乗り越えよう」と話しかけてあげましょう。

 

 リラックスして過ごしましょう

 子宮口が全開大するまで初産婦では10時間ぐらいはかかります。特に前半の5時間ぐらいは、ゆっくり進みます。神通の痛みもあまり強くないので、病院内をいろいろ見学したり、家族と談笑するなど、一番リラックスできることをしながら過ごしましょう。

 

 携帯電話の電源は切りましょう

 談話室などではOKという病院もあるようですが、医療機器のある院内では、原則、携帯電話は使用禁止です。入院室で外線電話を使える病院もありますので、使い方の説明を受けましょう。

 

指輪は外しましょう

 指輪は指がむくんでとれにくくなったり、痛くなることもあるので早めに外しておきましょう。コンタクトレンズは、お産の途中でメガネに変えるよう指示されることもあります。

 

薬の内容をよく理解しましょう

 点滴や内服薬など、薬を使うと言われた場合には、使用目的や薬の内容をよく聞き、きちんと理解するようにしましょう。

 

食事や飲み物は医師の指示に従います。

 入院後は病院の食事やおやつが出ます。無理せず、食べられる範囲で食べましょう。お産の経過によって、帝王切開が予測されるときは「絶飲食」の指示が出る場合もあります。

 

★起こりがちなこと

お産開始がまだだった or お産がかなり進んでいた

 陣痛ではなかった、破水ではなかった、おしるしだけど陣痛がまだという場合、一度帰宅するように言われる場合があります。どんな症状があったら再受診するかなど、よく説明を受けてから帰宅しましょう。また、入院したほうが安心できるようなら、その旨を率直に医師に伝えて相談してみましょう。